発達と老化の理解

介護福祉士過去問

問題 31

スキャモン(Scammon, R.E.)の発達曲線に関する次の記述のうち,適切なものを 1 つ選びなさい。
1 神経系の組織は, 4 歳ごろから急速に発達する。
2 筋骨格系の組織は, 4 歳ごろから急速に発達する。
3 生殖器系の組織は,12 歳ごろから急速に発達する。
4 循環器系の組織は,20 歳ごろから急速に発達する。
5 リンパ系の組織は,20 歳ごろから急速に発達する。

スキャモンの発達曲線は、20歳頃の発達を100%としたときの成長パターンを、4系統の組織に分類して示しています

  • 神経系…生後から急速に発達し、8歳頃にピークに達する
  • 一般系(筋骨格系、循環器系、消化器系)…S字カーブを描いて発達する
  • 生殖器系…12歳頃から急速に発達する
  • リンパ系…12歳頃にピーク(リンパ系のみピークが200%)に達し、そこから縮小し20歳頃には100%に落ち着く

よって、3番が正解になります

問題 32

幼 稚 園 児 の J さ ん( 6 歳, 男 性 )に は, 広 汎 性 発 達 障 害(pervasive
developmental disorder)がある。                          砂場で砂だんごを作り,きれいに並べることが好きで,毎日,一人で砂だんごを作り続けている。
ある日,園児が帰宅した後に,担任が台風に備えて砂場に青いシートをかけておいた。                                       翌朝,登園したJさんが,いつものように砂場に行くと,                青いシートがかかっていた。                             Jさんはパニックになり,その場で泣き続け,なかなか落ち着くことができなかった。
担任は,Jさんにどのように対応すればよかったのか,最も適切なものを 1 つ選
びなさい。
1 前日に,「あしたは,台風が来るよ」と伝える。
2 前日に,「あしたは,台風が来るので砂場は使えないよ」と伝える。
3 前日に,「あしたは,おだんご屋さんは閉店です」と伝える。
4 その場で,「今日は,砂場は使えないよ」と伝える。
5 その場で,「今日は,おだんご屋さんは閉店です」と伝える。

広汎性発達障害の子供は、突発的な変更があると、不安やストレスを感じてパニックになってしまうことがあります

変更があるときは、事前に、具体的に説明しておくことで、パニックの防止に繋げることができます

よって、2番が正解になります

問題 33

生理的老化に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 環境によって起こる現象である。
2 訓練によって回復できる現象である。
3 個体の生命活動に有利にはたらく現象である。
4 人間固有の現象である。
5 遺伝的にプログラムされた現象である。

生理的老化は、加齢により誰にでも起こる変化なので、遺伝的にプログラムされた現象であると言えます

よって、5番が正解です

問題 34

エイジズム(ageism)に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 高齢を理由にして,偏見をもったり差別したりすることである。
2 高齢になっても生産的な活動を行うことである。
3 高齢になることを嫌悪する心理のことである。
4 加齢に抵抗して,健康的に生きようとすることである。
5 加齢を受容して,活動的に生きようとすることである。

1番がそのままエイジズムの説明となっており、正解です

問題 35

Kさん(80 歳,男性)は,40 歳ごろから職場の健康診査で高血圧と高コレステロール血症(hypercholesterolemia)を指摘されていた。                         最近,階段を上るときに胸の痛みを感じていたが,しばらく休むと軽快していた。         喉の違和感や嚥下痛はない。                                 今朝,朝食後から冷や汗を伴う激しい胸痛が起こり,30 分しても軽快しないので,救急車を呼んだ。
Kさんに考えられる状況として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 喘息(bronchial asthma)
2 肺炎(pneumonia)
3 脳梗塞(cerebral infarction)
4 心筋梗塞(myocardial infarction)
5 逆流性食道炎(reflux esophagitis)

心筋梗塞は、高血圧や高コレステロール血症のような生活習慣病が原因であるとされ、30分以上続く激しい胸痛が症状としてみられます

よって、4番が正解です

問題 36

次のうち,健康寿命の説明として,適切なものを 1 つ選びなさい。
1  0 歳児の平均余命
2 65 歳時の平均余命
3 65 歳時の平均余命から介護期間を差し引いたもの
4 介護状態に至らずに死亡する人の平均寿命
5 健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間

健康寿命は、平均寿命から介護期間を差し引いたものになります

5番がそのまま健康寿命の説明となっており、正解です

問題 37

次のうち,前立腺肥大症(prostatic hypertrophy)に関する記述として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 抗利尿ホルモンが関与している。
2 症状が進むと無尿になる。
3 初期には頻尿が出現する。
4 進行すると透析の対象になる。
5 骨盤底筋訓練で回復が期待できる。

1 抗利尿ホルモンが関与している。                             男性ホルモンの減少が関与しています


2 症状が進むと無尿になる。                                無尿ではなく、排尿障害になります


3 初期には頻尿が出現する。                                 これが正解です


4 進行すると透析の対象になる。                              そのようなことはありません    


5 骨盤底筋訓練で回復が期待できる。                            治療には、投薬療法や手術療法があります

問題 38

次のうち,高齢期に多い筋骨格系の疾患に関する記述として,適切なものを 1 つ選びなさい。
1 骨粗鬆症(osteoporosis)は男性に多い。
2 変形性膝関節症(knee osteoarthritis)ではX脚に変形する。
3 関節リウマチ(rheumatoid arthritis)は軟骨の老化によって起こる。
4 腰部脊柱管狭窄症(lumbar spinal canal stenosis)では下肢のしびれがみられる。
5 サルコペニア(sarcopenia)は骨量の低下が特徴である。

1 骨粗鬆症(osteoporosis)は男性に多い。                         閉経後の女性ホルモンの減少が原因の1つであるため、女性に多いです


2 変形性膝関節症(knee osteoarthritis)ではX脚に変形する。                X脚ではなくO脚に変形します


3 関節リウマチ(rheumatoid arthritis)は軟骨の老化によって起こる。            関節の炎症によって起こります

4 腰部脊柱管狭窄症(lumbar spinal canal stenosis)では下肢のしびれがみられる。     これが正解です                                       下肢のしびれは、腰部の疾患が原因となっている可能性もあるので注意しましょう


5 サルコペニア(sarcopenia)は骨量の低下が特徴である。                  骨量ではなく筋肉量の低下が特徴です

終わり

医学的な知識を問われる問題が多く、なかなか難しかったですね

概論で良いので、しっかりと押さえていきましょう

本日は以上になります

お疲れ様でした

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