社会の理解

介護福祉士過去問

問題 7

次のうち,セルフヘルプグループ(self-help group)の活動に該当するものとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 断酒会
2 施設の社会貢献活動
3 子ども食堂の運営
4 傾聴ボランティア
5 地域の町内会

セルフヘルプグループとは、同じ問題を抱える人同士で集まり、その問題解決に取り組むグループのことで、断酒会はその代表的なものです

当事者同士だからこそ分かり合えることもあり、専門家による治療とは別のアプローチとして期待されています

よって、1番が正解です

問題 8

特定非営利活動法人(NPO法人)に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 社会福祉法に基づいて設置される。
2 市町村が認証する。
3 保健,医療又は福祉の増進を図る活動が最も多い。
4 収益活動は禁じられている。
5 宗教活動を主たる目的とする団体もある。

1 社会福祉法に基づいて設置される。                                
NPO法人の根拠法として、特定非営利活動促進法というものがあります

2 市町村が認証する。                                                   NPO法人は、原則として、都道府県知事または政令指定都市の長が認証を行います

3 保健,医療又は福祉の増進を図る活動が最も多い。                     これが正解です

4 収益活動は禁じられている。                                NPO法人は、収益活動ができます

5 宗教活動を主たる目的とする団体もある。                         NPO法人は、宗教活動を主たる目的として活動できません

問題 9

地域福祉において,19 世紀後半に始まった,貧困地域に住み込んで実態調査を行いながら住民への教育や生活上の援助を行ったものとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 世界保健機関(WHO)
2 福祉事務所
3 地域包括支援センター
4 生活協同組合
5 セツルメント

あまり聞き慣れない言葉ですが、問題文はセツルメントのことをそのまま説明した文になっています

セツルメントは、グループワークの源流となった活動です

ワードだけでも是非覚えておきましょう

5番が正解です

問題 10

社会福祉基礎構造改革に関する次の記述のうち,適切なものを 1 つ選びなさい。
1 社会福祉法が社会福祉事業法に改正された。
2 利用契約制度から措置制度に変更された。
3 サービス提供事業者は,社会福祉法人に限定された。
4 障害福祉分野での制度改正は見送られた。
5 判断能力が不十分な者に対する地域福祉権利擁護事業が創設された。

社会福祉基礎構造改革は2000(平成21)年のことで、介護保険法が施行された年です

介護保険法により、介護サービスの措置から契約への移行が体現されましたが、契約制度になることにより、判断能力が不十分な人はどうすれば良いのかという問題が生じました

そこで、同年2000(平成21)年に成年後見制度が施行されました

このような背景をもとに、選択肢一つ一つを確認していきましょう

1 社会福祉法が社会福祉事業法に改正された。                        これは全く逆のことを言っており、社会福祉事業法から社会福祉法に改正されています                                      社会福祉法は現在の福祉八法のうちの一つです                         現在の福祉八法は以下の通りです

  • 生活保護法
  • 児童福祉法
  • 身体障害者福祉法
  • 知的障害者福祉法
  • 老人福祉法
  • 母子及び父子並びに寡婦福祉法
  • 社会福祉法
  • 高齢者の医療の確保に関する法律


2 利用契約制度から措置制度に変更された。                         これも全く逆のことを言っていますね


3 サービス提供事業者は,社会福祉法人に限定された。                              これもどちらかと言えば逆で、事業者の多様化が図られました                             現在では、NPO法人や民間企業など様々な事業者が参入していますよね  


4 障害福祉分野での制度改正は見送られた。                         改革と銘打っているのに、見送られることは考えにくいですよね                 実際、障害福祉分野での制度改正も行われています


5 判断能力が不十分な者に対する地域福祉権利擁護事業が創設された。             これが正解です                                       権利擁護とは、判断能力が不十分な人の権利を守ることであり、成年後見制度の元となっている考え方です                                            地域福祉権利擁護事業は、現在、日常生活自立支援事業に名前が変わっています             成年後見制度に至る前段階の事業として、捉えてもらえたら分かり易いと思います

問題 11

Cさん(77 歳,男性)は,60 歳で公務員を定年退職し,年金生活をしている。          持病や障害はなく,退職後も趣味のゴルフを楽しみながら健康に過ごしている。
ある日,Cさんはゴルフ中にけがをして医療機関を受診した。
このとき,Cさんに適用される公的医療制度として,正しいものを 1 つ選びなさい。
1 国民健康保険
2 後期高齢者医療制度
3 共済組合保険
4 育成医療
5 更生医療

後期高齢者医療制度は、75歳以上の人が対象となる医療制度です

Cさんは77歳なので、2番が正解です

問題 12

次のうち,介護保険法に基づき,都道府県・指定都市・中核市が指定(許可),監督を行うサービスとして,正しいものを 1 つ選びなさい。
1 地域密着型介護サービス
2 居宅介護支援
3 施設サービス
4 夜間対応型訪問介護
5 介護予防支援

サービスの指定・監督について、ざっくりと言えば以下のようになっています

  • 居宅サービス…都道府県(居宅介護支援のみ市町村)
  • 施設サービス…都道府県
  • 地域密着型サービス…市町村

よって、3番が正解です

夜間対応型訪問介護、介護予防支援は地域密着型サービスに含まれます              余裕があれば覚えておきましょう

問題 13

「障害者差別解消法」に関する次の記述のうち,適切なものを 1 つ選びなさい。
1 法の対象者は,身体障害者手帳を交付された者に限定されている。
2 合理的配慮は,実施するときの負担の大小に関係なく提供する。
3 個人による差別行為への罰則規定がある。
4 雇用分野での,障害を理由とした使用者による虐待の禁止が目的である。
5 障害者基本法の基本的な理念を具体的に実施するために制定された。
(注)「障害者差別解消法」とは,「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のことである。

1 法の対象者は,身体障害者手帳を交付された者に限定されている。              身体障害者手帳を交付された者だけが障害者とは限りませんよね


2 合理的配慮は,実施するときの負担の大小に関係なく提供する。               大きい負担の合理的配慮まで認めてしまうと、事業の提供が難しくなるケースもあると思います


3 個人による差別行為への罰則規定がある。                         民間事業者に対しては罰則規定がありますが、個人に対してはありません


4 雇用分野での,障害を理由とした使用者による虐待の禁止が目的である。           これに関しては、障害者虐待防止法という法律があります


5 障害者基本法の基本的な理念を具体的に実施するために制定された。             これが正解です

問題 14

「障害者総合支援法」に規定された移動に関する支援の説明として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 移動支援については,介護給付費が支給される。
2 行動援護は,周囲の状況把握ができない視覚障害者が利用する。
3 同行援護は,危険を回避できない知的障害者が利用する。
4 重度訪問介護は,重度障害者の外出支援も行う。
5 共同生活援助(グループホーム)は,地域で生活する障害者の外出支援を行う。
(注)「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

1 移動支援については,介護給付費が支給される。                      移動支援は保険給付事業ではなく、地域支援事業に含まれています


2 行動援護は,周囲の状況把握ができない視覚障害者が利用する。               これは、3番の同行援護のことを言っています


3 同行援護は,危険を回避できない知的障害者が利用する。                  これは、2番の行動援護のことを言っています


4 重度訪問介護は,重度障害者の外出支援も行う。                      これが正解です


5 共同生活援助(グループホーム)は,地域で生活する障害者の外出支援を行う。        共同生活援助は、地域での障害者の共同生活を支援するサービスです

問題 15

Dさん(80 歳,男性,要介護 2 )は,認知症(dementia)がある。訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用しながら一人暮らしをしている。
ある日,訪問介護員(ホームヘルパー)がDさんの自宅を訪問すると,近所に住むDさんの長女から,「父が,高額な投資信託の電話勧誘を受けて,契約しようかどうか悩んでいるようで心配だ」と相談された。
訪問介護員(ホームヘルパー)が長女に助言する相談先として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
1 公正取引委員会
2 都道府県障害者権利擁護センター
3 運営適正化委員会
4 消費生活センター
5 市町村保健センター

消費生活センターは、商品やサービスなどに関する苦情や相談を受け付けてくれる機関です

よって、4番が正解です

問題 16

災害時の福祉避難所に関する次の記述のうち,適切なものを 1 つ選びなさい。
1 介護老人福祉施設の入所者は,原則として福祉避難所の対象外である。
2 介護保険法に基づいて指定される避難所である。
3 医療的ケアを必要とする者は対象にならない。
4 訪問介護員(ホームヘルパー)が,災害対策基本法に基づいて派遣される。
5 同行援護のヘルパーが,災害救助法に基づいて派遣される。

1 介護老人福祉施設の入所者は,原則として福祉避難所の対象外である。               これが正解です                                       施設の入所者は、その施設で適切に対応されることが想定されています


2 介護保険法に基づいて指定される避難所である。                          介護保険法ではなく、災害対策基本法に基づいています


3 医療的ケアを必要とする者は対象にならない。                                 福祉避難所ですので、このような方が対象になります


4 訪問介護員(ホームヘルパー)が,災害対策基本法に基づいて派遣される。          災害対策基本法にこのような規定はありません                         災害時は市町村が人員を確保し、不足する場合は災害派遣福祉チーム(DWAT)が派遣されることもあります


5 同行援護のヘルパーが,災害救助法に基づいて派遣される。                 災害救助法にこのような規定はありません

問題 17

「感染症法」に基づいて,結核(tuberculosis)を発症した在宅の高齢者に,医療費の公費負担の申請業務や家庭訪問指導などを行う機関として,適切なものを1 つ選びなさい。
1 基幹相談支援センター
2 地域活動支援センター
3 保健所
4 老人福祉センター
5 医療保護施設
(注)「感染症法」とは,「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」のことである。

結核は2類感染症に指定されており、診断した医師から届出を受けた保健所が対応することになっています

よって、3番が正解です

問題 18

Eさん(55 歳,女性,障害の有無は不明)は,ひきこもりの状態にあり,         就労していない。                                  父親の年金で父親とアパートで暮らしていたが,父親が亡くなり,            一人暮らしになった。                                遠方に住む弟は,姉が家賃を滞納していて,生活に困っているようだと,家主から連絡を受けた。                                        心配した弟が相談する機関として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 地域包括支援センター
2 福祉事務所
3 精神保健福祉センター
4 公共職業安定所(ハローワーク)
5 年金事務所

Eさんは生活に困窮しているので、選択肢の中では、生活保護の相談窓口である福祉事務所に相談するのが適切であると言えます

よって、2番が正解です

終わり

本日は以上になります

ご精読ありがとうございました

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